HIROYUKI YAMAGAMI
私の愛器を紹介します
G u i t a r s
星野 良充(日本)
Yoshimitsu Hoshino(Japan)
製作 1990年
表面板 スプルース(ドイツ松)
裏・横板 ハカランダ
塗装 表面板:セラック 他はカシュー
糸巻 スローン
使用弦 4~6:オーガスチン青 1~3:セシリアローS
星野さんのギターをはじめて見たのは確か17歳の頃だったと思います。
高校生だった私には星野ギターは衝撃的でなんとしても欲しくなりました。
大学生になった頃、バイトでローンを組み念願の星野ギターを手に入れました。1982年製作のギターです。しかし、このギターは手放してしまいました。
星野さんの工房は昔、中野区本町にあり、よく遊びに行きました。
その度に新作のギターを見せて頂き、分かりもしないくせに色々感想を伝えていました。
今使っているのは2台目で1990年製作のギターです。星野さん曰く「スペイン風に作った」らしいです。どこがスペイン風か分かりませんが、とにかくこのギターは素晴らしいの一言に尽きます。どこまでも澄んだ音なのに色気もあり、とても繊細なのにパワーも充分です。そして何より26年間使って一度も故障がありません。
セゴビアのハウザーが1937年~1960年まで23年間使われた事は有名ですが、それより永く使ってるんだなと思うこの頃です。
今井 勇一(日本)
Yuichi Imai(Japan)
製作 1986年
表面板 セダー(米杉)
裏・横板 ハカランダ
塗装 表面板:セラック 裏・横板:ラッカー 他はウレタン
糸巻 ゴトースパーマシーン
使用弦 4~6:オーガスチン赤 1~2:セシリアローS
3:プロアルテハード
今井さんとは当時高田馬場にあったM店で知合いました。 ある日、今井さんが新作の楽器2台をもってM店に現れました。今でこそ今井さんは世界的製作家ですが、その頃はまだ期待の若手製作家といった感じで、私も全く知りませんでした。
たまたまそこに居合わせた私は、幸運にもその楽器を弾かせてもらうことが出来ました。最初の音を出した瞬間、この楽器が欲しいと思ってしまいました。
残念ながらその楽器を手にする事はできませんでしたが、約1年後に1986年製の今井ギターを手に入れました。
今井さんとはコンサート帰りによく飲みに連れて行ってもらったり、両国国技館に大相撲を見に行った事もあります。一番思い出深いのは、2002年のリヒテンシュタインのギターフェスティバルにいっしょに参加した事です。その時、初めてラッセル、ピエッリといった巨匠の演奏を間近かで聞くことが出来ました。
1986年製の今井ギターはとにかくパワーのある楽器で、特に重量感のある低音がたまらなく魅力的です。よく杉の楽器は寿命が短いと言われますがこれは全くの迷信?と思います。この今井ギターは30年間使っていますが、いまだに成長し続けています。
ローランド・シャルバトケ(ドイツ)
Roland Scharbatke(Germany)
製作 2002年
表面板 セダー(米杉)
裏・横板 ハカランダ
塗装 オールセラック
糸巻 ロジャース
使用弦 1~6:プロアルテハード
すでに星野と今井の2台のギターを持っていた私は、もうこれ以上ギターは必要ない!と妻に言った一週間後に衝撃的な出会いをしてしまいました。
それがこの2002年製のローランド・シャルバトケです。
今まで聞いたことがない立体的な響きと深い音色に打ちのめされてしまいました。どうしても欲しくなってしまった私は、先日「もうこれ以上ギターは必要ない」と宣言してしまっていたので、ありとあらゆる手段を講じて、ようやく妻を説得して手に入れることが出来ました。
今までの2台のギターとの大きな違いは、独特のヨーロッパ的な響きを持っていることで、新しい何かを掴める気がしたのです。
10年近く演奏活動をしていなかったのですが、このギターを手に入れたことをきっかけに、妻から家族の前で弾いているだけでは宝のもちぐされ、人前で演奏しなさい!とゲキを飛ばされ、それから演奏活動を再開させることになりました。
佐久間 悟(日本)
Satoru Sakuma(Japan)
製作 2016年
表面板 スプルース(ドイツ松)
裏・横板 ローズウッド
塗装 オールセラック
糸巻 ゴトー
使用弦 オーガスチン・リーガルブルー
昨年(2016年)の夏にもう1台仲間が増えました。リンクでブログを紹介している長野県上田市在住の佐久間悟さんのギターです。
佐久間さんとは神田明神のギター専門店メディアカームで知り合いました。初めて見せてもらった楽器は特注の7弦ギターでした。しかし私にはとても手に負えずどんな楽器かも判断できませんでしたがたまたまお店にあった通常のギターも弾かせてもらう事ができました。
正直とても驚きました。今までの日本の楽器ではあり得なかったヨーロッパ的な響きがするではないですか!しかもとても弾き易い!次に欲しくなるのはこの楽器だなと予感しました。
その後長野県でのクラシックギター愛好家の集まりの時に2015年に製作したブーシェモデルの1号を拝見しました。その楽器を弾いた瞬間もうこれしかないと確信しました。翌日メディアカームに連絡し同じモデルが入荷したらすぐに連絡をもらえるようにお願いしました。
そして数日後お店に納品された楽器を入荷2時間後に購入しました。
この楽器はブーシェモデルですがブーシェとは明らかに違います。バランス、音程、弾き易さ、全てブーシェを超えているような気がします?
3年後、5年後、10年後、どんな楽器になるのか本当に楽しみです!